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異物誤飲・誤嚥


消化管の異物 (誤って飲み込んでしまった!)
成人は“モノ”の確認は、目で見たり手で触って行います。しかし、乳幼児は“モノ”の確認を口で行います。興味のあるものを見つけると、まず自分の口に入れて、それがどんな“モノ”なのかを判断します。口の中に入る大きさであれば、どんなものでも確認をしようとするのが赤ちゃんです。ほとんどの“モノ”は自然に排出されますが、食道や胃・腸に穴があいたり、“モノ”が詰まって腸閉塞なども稀ですが起こります。

異物の誤飲・誤嚥は好奇心旺盛な乳幼児では必然的なことです。

異物誤飲・誤嚥は予防が一番です。口に入る大きさのものは、赤ちゃんの手に届くところには置かないようしてください。

異物の種類
鋭的異物:針、安全ピン、画鋲、クギなど
鈍的異物:コイン、おもちゃのパーツなど
特殊な異物:ボタン型電池、磁石
その他:化粧品、薬物、タバコなど(この頻度が最多です)
診 断
 なにか“モノ”を口に入れていた、飲み込んだなどというエピソードの確認が大切です

a. レントゲンにうつる異物の場合(金属片、磁石、電池など)
a. 異物がレントゲンで確認できた場合
診療疾患画像
診療疾患画像 磁石付チューブ
b. 異物がレントゲンで確認できない場合
食道内異物の可能性が高い場合は上部消化管造影検査を行います。
異物が確認できたら上記のチャートに準じます。
c. 特殊な場合
2個以上の磁石やボタン電池が胃食道内にある場合は磁石付チューブなどを用いて摘出を行います。
磁石の場合は消化管の壁をはさんで接着してしまうことがあり、消化管穿孔の原因となるため厳重に経過を見る必要があります

気管の異物(誤嚥)
何かを口に入れていた時に急にせき込み、その後咳や喘鳴が続く場合には気管・気管支異物が考えられます。 大きな声を出す時には、まず大きく息を吸い込み、それから大きな声を出します。口に何か“モノ”を入れた状態で、叱られた・驚いた・転んだ、といった時には、思わず声が出てしまいます。年長になると急に息を吸っても気道の中に“モノ”が入らないような反射が完成しますが、乳幼児ではこの反射が未発達です。その結果、大きな声を出す際の 吸う息で誤って気道系に“モノ”が入り込み、発症します。
気道異物は3歳未満の乳幼児に多く、その多くはピーナツなどの豆類や食品です。
胸部レントゲン、CTなどの画像検査が診断に役立ちます。
摘出が必要と判断されたら硬性気管支鏡を施行します。以下の2つの方法で摘出します。

診療疾患画像
診療疾患画像
診療疾患画像

風船付きカテーテル(フォガティカテーテル)のバルーンと硬性気管支鏡の間に食べ物をはさんで摘出します。

異物の誤飲・誤嚥は予防が大切です。

子供の口に入りそうなサイズのものは手の届くところに置かないように注意する必要があります。
また1~2歳までの小さな児にはピーナッツなどは与えないことも重要です。