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先天性胆道拡張症


肝臓でつくられた胆汁の通り道である胆管が嚢腫状あるいは紡錘状に拡張している病気です。女児に多く、男女比は1:4程度と言われています。この病気ではほとんどの場合胆管と膵管の合流部の異常(膵胆管合流異常)も伴っています(図1)。この疾患の3主徴は腹痛、黄疸、腹部腫瘤です。膵液が拡張した胆管内に入ることで炎症が生じ、様々な症状を起こします。

診 断
拡張した胆管と膵胆管合流異常をさまざまな画像検査で確認します。超音波検査、CT、MRIなどを用い診断します。内視鏡を十二指腸に挿入し、逆行性に膵管・胆管を造影する、ERCPという検査を行うこともあります。血液検査ではビリルビンや肝・胆道系酵素、炎症反応の上昇を認めることがあります。
治 療
この疾患は手術を行わないと、胆管炎などの症状を反復するだけでなく、将来高率に胆管や胆嚢に癌が発生するとされています。したがって、手術により肝外の拡張胆管を切除し、小腸を途中で切断し肝門部まで持ち上げて肝から出てすぐの胆管(肝管)と吻合します。この手術により胆汁と膵液の通り道を完全に分けてしまうことができます(分流手術)。(図2のように再建します)
診療疾患画像

図1

診療疾患画像

図2