小児外科は生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)から学童期(中学生:16歳未満)までのお子さん方の外科治療なら国立岡山医療センター小児外科まで。

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総排泄腔疾患について

 

概要

一般的に直腸肛門疾患(鎖肛を含む)に属し、特に女性に生じる疾患です。

女性は子宮内発達過程において胎生早期には、すべての人が尿路系・生殖器系・消化器系が一体となっておりますが、徐々に発達し、出生児には尿路は膀胱・尿道に、性器は子宮・膣に消化器は直腸・肛門に分離されています。

図1は正常発達した総排泄腔を示していますが、会陰部から見ると、尿道口、膣口、肛門の3つの穴があります。図2.3は子宮内発育に異常をきたした総排泄腔を示しています。図2の異常は軽度で3つの穴は会陰部に近い位置で合流し1つの穴として開口しています。臨床的には低位にあたる総排泄腔の異常です。図3は高位にあたる総排泄腔異常で会陰部から膀胱近くまでは1本の管となっています。

 スライド1

スライド2

スライド3

治療

この疾患の治療にあったては、排便、排尿機能だけでなく、女性としての性機能を考慮した加療(手術)を必要とします。ただ、患者数が少なく、各施設の経験例が少い事もあり、小児外科医も施行錯誤で治療してきた感は否めません。特に幼少時は排便機能、排尿機能を重視して加療が行われますが、思春期に入り、性機能で悩まれておられる人が多いのではないかと推測します。

 

外来立ち上げについて

そこで比較的多くの患者さんを診療させていただいた者として、この度、本疾患で悩まれる人を対象として、総排泄管外来を立ち上げる事に致しました。当分の間、新患者さんには完全予約制での診療を行う予定です。

診察日は第1、第3金曜日の午後を予定しています。

外来担当医師  青山興司

連絡先 小児外科外来