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2014年3月10日

総排泄管疾患に思う

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先日ある病院を訪ねました。
入り口で、久しぶりに以前に総排泄管疾患で治療した(30年前)患者さん親子に偶然会いました。腎機能が悪く、もう10年以上も前に他の病院に透析をお願いし、来院していなかった患者さんです。 ‘どう元気ですか?’‘はい、とても元気です‘で、気持ちよくその場を通り過ぎました。その病院を出るとき、たまたままたその親子に会いました。母親の少し迷った顔に気づき、詳しい話を聞くことにしました。現実には月経の不調・不順で非常に困っておられるとの事でした。また、何時でも相談にのりますよ、という事で帰りました。
 ほとんどの小児外科医は総排泄管の治療において、幼少時は排便機能、排尿機能を中心に治療をします。これは小学校入学頃で多くは解決します。その為、しばしば診療が途切れてしまう傾向があります。しかし、年齢を経ると性の問題が重要になって来ます。その頃には、手術をうけた医師もその病院にいない事が多く、何処で誰に相談したら良いかを迷い、病気の性質から病院に行くことも出来ず悩み続ける事も少なくないのではないかと思います。
 私もこの為の道を空けておかなかった事、この事をしっかりと話していなかった事、しっかりと経過観察をしていなかった事を恥じています。
 
そのような事もあって、この度、2014.4から総排泄管疾患の為の特殊外来を開設する事にしました。

写真は、2013年12月、ミャンマーから来院し、岡山で手術をした総排泄管疾患の患者(ニーニーちゃん)のミャンマーの自宅を訪ねた時のものです(術後1年半)。歩きにくかった状況から改善し、走れるようになっていました。非常に元気で、お化粧をして迎えてくれました。楽しいひと時でした。

青山興司

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