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2013年10月1日

ウンチの色

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 小児外科にはさまざまなお子様がウンチにまつわることを理由に受診されますので、本日は赤ちゃん、こどものウンチの色についてお話します。
 ウンチの色は胆汁中の‘ビリルビン’が分解された物質の色です。出生後、胎便(濃い緑色)から徐々に黄色い便へと変化していきます。母乳栄養の赤ちゃんのウンチは黄色、粉ミルクの赤ちゃんのウンチは黄色から緑黄色を呈します。
 新生児期から乳児期早期のウンチの色で最も問題となるのが色のあまり付いていない白っぽいウンチです。この時期のウンチが白っぽい場合は胆汁が十分に排泄されていない可能性があり、肝臓や胆管の異常が疑われます。とくに胆道閉鎖症という病気の場合は早急に治療が必要ですので、小児外科で検査をしてもらう必要があります。白いウンチとして良く知られている病気にはもう一つ、ロタウイルス性の腸炎があります。腸炎ですのでウンチは水様性の下痢便です。
 ウンチが黒っぽい場合、タール便と表現されることもありますが、食道、胃、十二指腸からの出血が疑われます。まれな病気は種々ありますが頻度が高いのは胃の粘膜障害や胃・十二指腸潰瘍からの出血です。ついでにウンチの色からは横道にはそれますが、ウンチの周りに明らかな血が出ている場合はおしりの近く、つまり大腸、肛門からの出血が疑われます。リンパ濾胞過形成(乳児期に認め、病的ではないことがほとんど)、裂肛(おしりが切れる)、大腸のポリープ(ほとんどが若年性ポリープで良性)などが原因です。下痢や腹痛に伴う場合は細菌性腸炎、お腹を痛がって苦しがったりおさまったりを繰り返す場合は腸重積症などを疑います。大量の下血の場合はメッケル憩室という小腸の側壁にある小部屋のような部分からの出血が考えられます。
 続いては緑色のウンチ。ときどき外来で大丈夫かどうか質問されます。これは問題ありません。便が空気とよく混ざりあうと、胆汁中のビリルビンの酸化が進み緑色を呈するとされています。ウンチの大腸内の滞在時間が長い場合にみられます。それから緑の野菜を山ほど食べたときにもウンチは緑になりますよ。
 ウンチは健康のバロメーターです。小児外科医がウンチから得ることのできる情報は非常に多いです。次回はウンチがでにくい“便秘”についておはなしします。おたのしみに。 中原でした。

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